お別れ

先日、飼い猫が天国へ旅立った。
私の腕の中で、静かに、眠るように逝った。
猫が失明してから3ヶ月弱、あれこれ世話をすることは苦になどならなかった。
1日でも長く一緒にいたかったけれど、寿命には勝てないね。

今は家にいるときが、いちばん寂しい。
いつもいた場所の、どこにもいない。
その、しんと静まり返った空気感に、たまらなくなる。

写真ばかり見ている。
もう、写真の中でしか会えないんだ。


お別れについて、以前から考えていることがあった。
「離別」と「死別」
一体どちらの方がつらくて悲しいのだろう?
そんなことを、ぼんやり思ってきた。
そのこたえが、自分なりにわかったような気がする。

どちらが、ということではないんだ。
どのように訪れたかによるのだと思う。

残される者にとっては、
予期せぬ別れ、突然訪れるものの方が、
受け止め切れないものになるのではないか。

別れのときに向かいながら相手を見続け、
覚悟のようなものを持てていた場合は、
悲しくても、ちゃんとその意味をわかろうとする。

さよならを言える別れは、しあわせなんだなと思う。

さよならって言葉じゃないけど、ちゃんと伝えに来てくれた。
わたしも、さよならって言う代わりに、名前を呼びながら、撫でてあげた。
ありがとうって伝えた。


守ってきたようで、
守られていたこと。
いなくなってからも、守られているような感覚。

心の中には、いつもいる。

あたたかく、やさしいものを残してくれた、
そんな相手と共に過ごしてきた時間。
様々なエピソード。
その出会い、存在もさることながら、
すべてが愛おしいと思う。